有休を使いきるぎりぎりに生まれて初めて心療内科に行った【043】

どうも、てつです。
前回の記事【042】では、生まれて初めて心療内科の予約を取ったときの話をしました。
今回は、初めて心療内科を受診したときの話です。
初めての心療内科
2015年9月下旬、すでに有給ほぼ使い果たしてしまった、ある晴れた日のことです。
私は、自宅から自転車で20分くらいの距離にある心療内科を訪ねました。
とても不安な気持ちだっということを今でも覚えています。
「自分は果たして本当にうつ病なのだろうか?実は仮病なのではないだろうか?甘えなのではないだろうか?医師から会社を辞めるための診断書を発行してもらえないのではないだろうか?これくらいで会社を辞めるなと説教でもされてしまうのではないだろうか?ここで精神病であるという診断が下ったら、会社は辞められるかもしれないけれど、それ以降の転職活動などには悪影響が出るかもしれない。社会からドロップアウトしてしまうかもしれない。」
矛盾を含んだ様々な思いが錯綜しました。
心療内科の側の駐輪場に自転車を停め、いよいよ病院のドアを開きました。
ソファーベンチがいくつも並んだ待合室が広がっていました。
BGMとして静かなクラシック音楽が流れていました。
平日の昼間にもかかわらず、想像以上にたくさんの患者さんが待合室にいました。
今まで私は「心療内科にかかる人は非常に稀な人だ」と思っていましたが、それは単なる先入観に過ぎなかったのだということを知りました。
初診受付
「先日、初診の予約をいたしました、てつと申します。」
受付のスタッフに伝えました。
そこで、初診用の問診票を渡され、記入するように言われました。
分量は、A4の表裏くらいだったと思います。
夜は眠れるかどうか、気分が落ち込む頻度はどれくらいか、最近大きなストレスを感じたことはあるかなどの典型的な質問が並んでいました。
そして、最後に、医師に伝えたいことを書くための自由記入欄があったため、そこに当時自分の置かれていた状況や、精神的なストレスを感じる要因について具体的かつ詳細に書きました。
内容は、【039】の記事でご紹介した話を要約したようなものです。
- 父が深刻ながんを患い、現在も術後のリハビリのために入院中であること
- 祖母や祖父や母の病気のこと
- 病人の世話のために休日を使わなければならないため自分の時間がほとんど取れないこと
- 会社への不信感を抱いていること
- 自分の仕事に後ろめたさを感じていること
- 仕事中はいつも体調がすぐれないこと
- 注意散漫で思考力も落ちていること
などを搔い摘んで書きました。
そして、問診票を受付スタッフに渡して、診察の時を待ちました。
診察室に入室
医師にどのように自分の症状を伝えようかと考えを巡らせながら、ソワソワとした心境で待合室で待機していました。
一般的な内科などの病院に比べ、一人一人の診察時間が長く、また初診の患者よりも通院中の患者の方が優先されるシステムでした。
1週間以上前から予約していたにも関わらず、30分以上待合室で待った後、ようやく診察室に呼ばれました。
問診
私が患者用のいすに座ったときに、最初にかけられた言葉は、
「お父様の病気の件、本当に大変でしたね」
というものでした。
だから私は、医師が事前に記入した問診用を熟読した上で、私の診断をしてくれているのだということを感じました。
そこからは、問診票に記入した自覚症状の内容について口頭で確認されました。
ひとしきり、自覚症状と当時私の置かれていた状況や感じているストレスについて話し終えると、医師はこう言いました。
「うつ病の典型的な症状がたくさん出ていますね。診断書の発行がご希望でしたら、病名は何とでも書けますが、何にしましょうか?」
自分の症状は仮病なのではないか、甘えなのではないかという心配は、無駄に終わったようです。
そして、医師に
「ストレス性障害及び、胃潰瘍疑いにつき、一か月の休養を要す」
という診断書を発行してもらいました。
医師「とにかく今のあなたには、自分の時間が必要です。会社を辞めて、アルバイトでもしながらゆっくりと自分の人生のあり方について見直してみてはどうですか?」
という言葉をかけてもらいました。
私「そうですね。」
表面上はそう答えましたが、今の会社を辞めたらすぐに転職活動をしなければならないなという焦りも抱えていました。
医師「次回以降、この病院にいらっしゃる際には、再診の扱いになります。特に問題がなければ、初診を担当した私が、次回以降もてつさんを担当することになりますので、何かありましたら私が勤務している曜日にいらしてください。」
私「分かりました。今日はありがとうございました。」
休職手続き
医師の診断書を手に入れたので、これで胸を張って(?)会社を休むことができます。
一定期間以上の休みを取るには、必ず医師の診断書がいるという会社の規則に沿うことができました。
会社に医師の診断書を提出し、正式に休職することが決まりました。
当時の心境
医師による客観的な診断により、
「うつ病の典型的な症状がいくつも出ています」
と言われるほどに明らかなうつ病であったのにもかかわらず、腹の底では自分がうつ病であるということが認められませんでした。
自分がうつだと認めることは負けを認めることであるように思っていました。
当時の私は、うつ病についてあまり深く理解しておらず、「うつは甘え」という偏見を抱いていたのです。
いくら周囲の人たちや医師が、
「あなたはうつ病だから今はしっかり休んだ方が良いですよ」
と声をかけてくれても、自分自身がうつ病であるということを認められない限り、真の休息は訪れません。
心と体は休息を求めてうつ病という形で「もうこれ以上頑張れないよ」とSOSを発しているのに、自分の中にある理性の声や常識への囚われがそれを許さないのです。
自分の中に敵がいて、すでに弱り切って動けなくなった心と体に鞭を打ち続けているような状態でした。
身が引き裂かれるような苦しみが延々と続きました。
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