時に善意は悪意よりも恐ろしい。子に対する親の愛(善意)。【018】

どうも、てつです。

前回(プライドを捨て高校数学を1からやり直すも、再び大学全落ち。【017】)に引き続き、過去の記憶を探りながら、私のうつ病を生み出した精神構造がいかにして作られていったのかを分析していきます。

今回は、大学受験浪人2年目に私が父からされた、様々な「しつけ」についてお話します。

浪人生活2年目の始まり

2月中には全ての試験が終わり、全ての大学が不合格という結果に終わりました。

2月末の誰もいない予備校のラウンジで、私は1人来年の大学受験に向けての勉強を始めました。

 

今年自分が受からなかった原因を自分なりに考えた結果、

「自分の精神が幼かったんだ」

という結論に達しました。

 

当時、私は大学に入る意味も見失っていました。

大学を卒業したところで、毎日早朝から深夜まで働き、過労で体が壊れ始めている父のようなサラリーマン生活が待っていると思うと、勉強のやる気も起きませんでした。

しかし、やる気がなくても勉強を頑張らなくてはなりませんでした。

 

自分が大学に入りたいかどうかという、自分の思い・意思・感情は関係なく、入るべきだと両親から求められているのだから、私には大学に入る以外に選択肢はないのだと自分に言い聞かせました。

自分が勉強をしたかろうが、したくなかろうが関係ないのだと自分に言い聞かせました。

ただ目の前に与えられた、やるべきことを全力で処理し続けるしかないのだと自分に言い聞かせました。

各科目ごとの好き・嫌いも関係ないのだと自分に言い聞かせました。

勉強したくないとか、やる気が出ないとか、そういう感情に流されて勉強をしないのは、自分の精神が幼いからであり、感情に流されず淡々とやるべき事を遂行できるようになることが大人になるということなのだと言い聞かせました。

私は自分の意思・感情・感性を徹底的に否定し、ただ任務を遂行するだけのロボットになることに徹しました。

そうやって、自分を麻痺させて誤魔化していないと、辛くてやっていられませんでした。

 

浪人2年目、私の中にある「ありのままの自分のもつ心や感性」は「あるべき自分像」によって、殺されました。

それからの私は、自分が好きか嫌いか、やりたいかやりたくないかを、完全に無視し、その時やるべきだとされていること事を、ただひたすら遂行するだけのロボットになりました。

このことは、私のうつの発症に大きな影響を与えました。

父が私に与えた100の戒め

浪人2年目に突入した私に対し、父は「モーゼの十戒」に習って、「百戒」を与えました。

A4のコピー用紙3枚に渡って、

「~せよ。」

「~するな。」

「~ねばならない。」

「~するべきだ。」

「~することが正しい。」

「~することは間違っている。」

というような内容が延々と綴られた、100項目にわたる戒律です。

 

父の勉強に対する考え方は、私が中学生の時から変わりませんでした。

「やれば出来る。やらないから出来ないんだ。やる気の問題だ。かけた時間の問題だ。」

という考え方です。

(関連記事:中学2年生で味わった強烈な挫折感。私を追い込んだ父の言葉。【004】)

 

今年、私がどこの大学にも受からなかったのは、

「てつの努力不足が原因であり、学問に対する適性がないからではない。自分を厳しく律することができないことが原因である。」

という考えです。

 

だから父は「百戒」によって、私を徹底的にコントロールして、大学に合格させようとしました。

また、

「常に百戒を見直し、内容を忘れないように。」

と言われていました。

 

父から「百戒」を与えられたとき、私の中にそれに対して反発する思いが芽生えました。

しかし、感情も感性も麻痺した私は、完全に飼い慣らされていたため、

「反抗すること自体、精神的に幼い行為だ」

と否定して、自分の反抗心を封じ込めました。

「ただ遂行すべき項目が増えただけ」

と理解して、それらを淡々と処理するだけでした。

 

完全に洗脳されていました。

親と子という立場を利用した、「パワハラ」と言っても過言ではない状況でした。

父から毎日メールで送られてくる偉人たちの名言

父は、私が電車で予備校に向かう時間を見計らって、毎日メールを送ってきました。

その内容は、

「偉人たちの名言」

です。

偉人が偉業を成し遂げた際の心構えを集めたようなものです。

「百戒」に加えて、さらに私の弱音を封じ込め、やるべき事をやらせるためにコントロールする意図を感じました。

恐らく、父としては励ましているつもりだったのでしょうが・・・。

それにより、自分の本音である、

「大学に行く意味が分からない」

「勉強したくない」

「自分には数学は向かない気がする」

というようなことを考えたり感じたりすること自体が、徹底的に排除されました。

時に善意は悪意よりも恐ろしい

このように書くと、私の父が恐ろしい極悪人のように感じると思います。

しかし、父に対する世間的な評価や、親戚からの評価は非常に高く、

「とても優秀で、子供思いな良いお父さん」

というイメージがもたれていました。

 

そうです。父は「とても良い人」なのです。

「百戒」「偉人の名言メール」は、父が私を苦しめることを目的として行ったことではありません。

それが子供に対する「愛」であると信じて行っていた、「善意」による行為なのです。

当時の私は、父のこれらの行為を、父の「愛」であると捉えていましたし、自分自身をしっかりとコントロールし、感情に流されず、やるべきことを遂行することが大人になることなのだ、良いことなのだと思っていました。

 

他者から向けられた「悪意」を拒絶することは容易にできます。

しかし、他者から向けられた「善意」は、簡単には拒絶することができません。

 

「善かれと思ってやってくれているんだから、拒絶したら相手の気分を害してしまうかもしれない」

と思ってしまうからです。

 

「ありがた迷惑」と言い換えることもできます。

まさに、これと同じことが起こっていたのです。

父の「善意(愛)」を息子である私は、拒絶できませんでした。

 

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プロフィール

てつが自給菜園で育てた愛しい夏野菜ちゃんたち

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ありがとうございます。

 

 

1991年生まれ。

 

某大学の工学系の学科を首席で卒業後

東証一部上場の製造業の技術職に就く。

 

入社約半年でうつ病を発症し退職。

 

約1年間の無職療養期間を経て

近所の小売店でアルバイトを開始。

 

うつ病の発症から約2年後

主観的にうつ病は完治したと実感。

 

 

2019年現在

・週に30時間のアルバイト

・食料を半自給するための菜園の運営

・ブログの運営

の3つの活動を中心に生活している。

 

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